老人ホーム・介護施設の種類
介護老人保健施設や介護老人福祉施設など介護施設は数多くあります。
それぞれの施設によって受けられるサービスや特徴・入居の条件・費用などに違いがあります。
わかりやすくまとめてみましたので、参考にしてください。
老人保健施設と有料老人ホームの違い
「老人保健施設(老健)」と「有料老人ホーム」は、どちらも高齢者が入所できる施設で、食事の提供、入浴・排せつ・食事の介護、洗濯・掃除等の家事、健康管理、機能訓練(リハビリ・レクリエーション)などのサービスが提供されますが、この2つは、同じ高齢者施設でも大きな違いがあります。
老人保健施設
「老人保健施設」は、医療法人、社会福祉法人、地方公共団体などが運営する、公的な施設です。
「老健」とも呼ばれ,「65歳以上・要介護1以上」の高齢者が対象で、介護を受けながらリハビリをして在宅復帰を目指す施設です。
また、老健は3ヶ月〜6ヶ月程度の一定期間で退去することが前提の施設であることから、特養と比較して空室があり入居しやすい状況ではありますが、終の棲家にはできません。
「老健」には入居一時金がなく、月額利用料のみとなります。
「施設サービス費」は介護保険が適用されるため実費は1割〜2割負担になり費用が安く抑えられることや、医療ケアやリハビリが充実していることが魅力です。
「居住費・食費」「日常生活費」は実費となります。
自立・在宅復帰を目指す施設のため、3カ月ごとに入所継続の判定が行われます。
延長できたとしても1年が限度です。
また、入所は病状が安定して、入院治療をする必要がない方に限られており、認知症などで精神科の専門的治療が必要な方は対象外となります。
有料老人ホーム
「有料老人ホーム」は民間の事業者が運営する施設で、「概ね60歳以上」の高齢者が対象で長期利用も可能です。
施設により異なりますが、医療設備や看護体制、人員配置数、レクリエーションやイベント、娯楽などが充実しています。
地価に家賃を左右されることや、サービス内容が費用に反映されるため、公的な介護施設に比べて費用が高くなる場合もあります。
有料老人ホームは「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類があります。
介護付有料老人ホーム
食事をはじめとした健康管理、掃除や洗濯、入浴、排泄など日常生活において介護サービスが提供される施設です。
原則として65歳以上の方が入居の対象で、「自立型」「介護専用型」「混合型」の3種類があります。
認知症はもちろん、胃ろうや気管切開といった医療ケアが必要な方でも入居可能な施設もあります。
24時間体制で介護サービスを受けることができますが、
他の介護施設に比べ費用が高くなります。
自立型
入居時点で要介護認定に該当しない自立の方。
介護専用型
要介護1以上の方。
混合型
要介護認定を取っていない方も入居対象となります(施設により、入居要件は異なります)。
住宅型有料老人ホーム
主に民間企業が運営し、要介護者や、自立(介護認定なし)・要支援状態の高齢者を受け入れている施設です。
施設内に介護スタッフが常駐していないため、入居中に介護が必要な方は、外部の介護サービス事業者と契約を結ぶことで、施設に入居しながら外部の訪問介護などの介護サービスを利用することができます。
基本的に館内で提供されるサービスは食事サービスと、緊急時の対応などの日常的な生活支援だけとなります。
レクリエーションや設備が充実していて、
介護付有料老人ホームきよりも利用料が割安ですが、
重度の介護状態では、基本的に住み続けられません。
基本的に60歳以上の高齢者が入居要件となっていて、
介護付よりも比較的お元気な方向けの施設です。
自立の方から要介護認定を受けている方まで受け入れている施設が多いです。
健康型有料老人ホーム
家事手伝いなどのサポートを受けられ、日常生活を楽しむための設備が充実している施設です。
サービス付き高齢者向け住宅
バリアフリー対応の賃貸住宅で、主に自立(介護認定なし)あるいは軽度の要介護状態の高齢者を受け入れています。
生活相談員が常駐し、入居者の安否確認や様々な生活支援サービスを受けることができます。
老人ホームとの違いは、
住宅部分については建物賃貸借契約を結ぶとともに、生活支援サービスを提供する場合は、サービス利用契約を別途締結します。
高齢者が生活しやすい設備が整っていて、自由度が高い生活ができますが、
一般的な賃貸住宅に比べ家賃が高く、連帯保証人を求められます。
シニア向け分譲マンション
民間事業者によって販売・運営されるバリアフリーの分譲住宅です。
主に自立あるいは要支援状態の高齢者を受け入れており、食事の提供や緊急時の対応などのサービスと、
フィットネスやレクリエーションの施設が充実しているので、高齢者が安心して楽しく暮らせます。
特別養護老人ホーム
寝たきり状態など重度の介護を必要とする要介護者が、少ない費用負担で長期入所できる施設です。
社会福祉法人や地方自治体などにより運営される公的な介護施設です。
要介護1から5の認定を受けた65歳以上の方を対象としており、身体上または精神上著しい障害により、常に介護が必要な状態で、居宅において適切な介護を受けることが困難な方が入所する施設です。
利用料が安く、24時間体制で介護サービスを受けることができ、長期入所が可能ですが、希望者が多いため、入居までの待機期間が長くなります。